2000年12月20日(水)全社協・灘尾ホールにおいて、第41回地球環境問題懇談会も兼 ねて、標記セミナーを昨年に引き続き(財)地球環境戦略研究機関(IGES)との共催で開催し た。今回COP6が中断扱いとなり主要論点の合意には至らなかったにもかかわらず、企業・研 究者をはじめ、学生、環境NGO、プレスなど計300名近くが来場し、関心の高さを窺わせた。 紙数の関係上、抜粋してその概要を報告する。 |
プログラム (司会:IGES気候変動プロジェクトリーダー西岡秀三)
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交渉担当者によるCOP6報告
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<梶原室長> | |||||
・ | 今回のポイント2点 京都議定書実施のためのルール決定と途上国援助問題 |
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・ | 今回の交渉の3つの特徴 (1) グループ交渉(一国のみの発言で実現は難しい) (2) パッケージ交渉(もはや分けての議論はできない) (3) ポリティカルな議論(プロンク議長の強い意向も) |
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プロンク議長が考えていた6つの大きな問題 (1) 補完性 (2) シンク (3) CDM対象事業 (4) 不遵守時の措置(法的措置か否か、議定書修正問 題) (5) 組織構成(CDM執行理事会・遵守委員会) (6) 途上国支援資金問題 |
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・ | プロンクノート・・・調停案という性格ではない。 「このペーパーを参考に閣僚間で議論をしてほしい。」 |
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・ | 最後に米ロイ・仏ボワネ・川口長官等交渉継続の意志表明 | ||||
・ | メカニズム 補足性→最終的には合意に達していない 定性的にどのように書けるかという議論が行われている
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・ | シンク 定義をどうするかの問題 3.3条→事務レベルで一週目にIPCCベースに決定 3.4条→直接or間接的な人為 科学的に整理できるのか →政治的に割り切って数字をだしたらという話に →提案:日米加、ノルウェー、メキシコ等 制限をかけつつ政治的に決めるという 合意はある |
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・ | 会議はあくまでも失敗したわけでなく、延びたという感じ。 大臣はお互いのポジションを認識しあっているので、あとは決断のみ。 再開会合で合意できるであろう。 |
<谷室長> | |||||
・ | 議論の焦点は森林管理において「何十%もクレジットがでる米国」であり、日本が合意不成 立の主原因では無い | ||||
・ | 但し仮にシンクで合意されても他議題の対立点や交渉テキスト上の詰めをしなくてはならず、 一筋縄ではいかない | ||||
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川口長官は合意実現のため休憩時間を厭わず自ら交渉 | ||||
・ | 資金問題→今回G77+中国の結束が固かった 産油国が、孤立すると議長に無視された経験有り 産油国であるが温暖化は避けたいナイジェリアが議長国 合言葉は先進国から金を取ろう(条約に基づき) 先進国は日本がとりまとめて第一約束期間に10億
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・ | EUの遵守行動計画は実現ありえる(政策措置促進で) 罰金は国際的には不能というのが先進国共通理解 途上国認識:温暖化政策=技術移転・資金援助・能力育成 | ||||
・ | プロンクノートはあくまでセカンドベスト | ||||
・ | 今後→大所は政治的決断、それ以外交渉テキストで詰める |
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研究者から見たCOP6と今後(松尾上席/主任研究員)
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・ | 半年ぐらいの遅れはかまわない。米国が飲めるものができて、京都議定書が動き出す可能性 はある |
・ | 半年遅れたからといって対策を引き延ばすと、エネルギー需給の趨勢から考えれば、目標達成は一層困難になる |
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国内対策は一つの措置でできるわけではない。メリットデメリット、それぞれの特徴をふまえて組み合わせ必要。 |
・ | 他の政策上の目的(エネ安全保障、財政等)も考慮しつつ |
・ | 部門間の公平性の問題 民生・運輸をどうするか |
・ | 市場自由化の流れとの整合性・他の措置との相互作用考慮 |
・ | 英・ノルウェー等、産業界自らデザインし政府に提案 原理原則の段階を越えて具体的な話に入っている |
・ | 企業としての戦略:実績を残す→インベントリー整備、限界コストカーブを知る→デファク トスタンダードを狙う |
・ | 温暖化問題は無くならない→市場を活用する方法は限界コストの高い日本ほど得→流動的な市場形成と適格なインセンティブ設定が、結局は温暖化抑制につながる |
・ | 議定書がどうなろうとも、将来的に温暖化対策は強化されるだろうから、ビジネスとして早く取り組んだ方がよい |
(中西 秀高)
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